nikawaru’s blog

文字と写真

2018-01-01から1年間の記事一覧

湿り座

取り残された箱に煙草くゆらして野球中継を観るだけ冷蔵庫には何があったっけ久しぶりの感覚だけれど昔とはやっぱり違って華やかではないけれど確かに水を吸い上げた日々が寂しい気持ちにさせるヘイ毎日は続いてくぜ人生より生き方かな雨をもっと楽しめれば…

ミルフィーユ

夕凪の窓から男の子の声だけが聞こえる「スリートゥーワン」そして女の子の声が聞こえる「オーノー」葉の隙間から覗く町並みはアスファルトと緑とが何層にも重なっていて以前よりずっと穏やかに見える心の在り方か電車で一回乗り換えれば着くすぐそこすぐソ…

ピース

君の言う通りにしよう信頼しているからもうすっかり空っぽになった僕の心だから正解なんか見つけっこない水をあげましょう育てましょう大切になるでしょう

柄と模様

高いビルの赤い丸ヘッドライトの光冬に歩いた道を春に車から見てる思ってるほど悪くないだろう目に映る景色の中に何万もの暮らし緑から赤に変わるフェイクが水面に揺れる

キッチンにて

雨のニュータウン遠く霞む鉄塔君が終わるのを待っているぐずる気持ちにひとつ区切りをつけて僕は初めて変わろうとする思い出に引っ掛かった諦めの中に新しい明日を探すしかない緑の町に鳴く烏ほつれた麻紐巣に帰る住み替える

湿り

そよ風過ぎる平日の昼間ベランダに鳥ありふれた日常を騒ぐ子供達と期待してる青年と目隠しの大人達ホームランが打てなくたって勝てるんだよって先生はおっしゃったはずくすんだ四月の終わりに緩んだネジを締め直して泥のたまったバケツ蹴飛ばして昼休みが終…

誇り 苦 犀

目覚ましを止めて針を落として眠たい目をこすりながら曇り空を歩くアイボリーの壁にぶっ刺した押しピンブルース町の凸凹スーパーマリオの景色乾燥した手に大事なものを離さずに揺れながら進んでいる気がする

黒と緑

晴れ空を漕いでゆくボートピアノの音色階下の住人間違いじゃない生活少しずつ開いてきた葉っぱ物干し竿に揺れる魚所々に緑のある街の中一つずつ分かり合おうとしてる季節に背中を預けて君の手をとってここで生きてゆく深夜の高速に乗ってしかめっ面で二人こ…

いい気になってる

バスの中はしんとしてる一人の女が乗ってくる空気が一変する水たまりの歩道に逆さキャップの朝の亡霊が立ってるフェンスをつたって滴り落ちる雨を見ながら緑になるのを待っているみんな耳栓して何も聞こえない雨の日曜いつもよりがらんとした出発の合図もな…

蛸薬師

一瞬一瞬駆け抜けて突風を裂き突っ走った日々が振り返れば歴史僕と君とでお話を作ろうビターな人間世界のお伽話結局春のグルーヴは今年も僕を呼んでるし終わった始まったその繰り返しをこれからの僕と君力強い決意を無駄にしないためもう一度風に乗り君の手…

土竜

いつまで続くだろう春の雨の匂い晴れ空の草原名も無い生活高速道路を降りてくるトラックバスの色だけ変わっていく僕はカゴの中にありとあらゆる物事を放り込んで関係のないところに放り投げて手を振ってただけ季節が一周したこともう二年も経ったことこれか…

夢でもいいから片時この苦痛から逃れたいもし夢なら覚めなくてもいい煙草を二本たて続けに吸って現実と向き合う心につっかえてるモヤモヤした塊を吹き飛ばしてくれるのは春じゃなかったのかその音じゃなかったのかでもそれは夜空に手を差し伸べたら星がつか…

平々凡々

新しい生活が始まって白くなった空に一本の電車が走ってゆくずっと映画のワンシーンの様な日々を探し回って大切な事が見えなくなっていつもの匂いが鼻を突いて君を迎えに行く駅までの道ふふふうー忘れてた事はギターアンプから聴こえた

鳴く鳴く

ふぅー世界は今日も騒がしい僕は呑気口ん中で甘ったるい飴玉転がしながら時間の流れに乗っかって遠くの景色と君を想う元に戻れたらなんて思わないようにしてたんだ

湖畔

アスファルトに春の土の匂い用水路挟み隣人の目記憶と想像が重なり合って現実を風がさらう破れたブルージーンズペーズリーの赤いシャツやってきたのはまたアイツだ上手くやろうぜ

窓際鬱屈発見隊

誰かが革命を掲げ旗を突っ立てた少年はこれから始まる戦いの産物でなく戦いそのものに期待している部屋を這う妙な時間のたうちまわる空想チャンスを待つだけで一歩も動こうとしないその時を待つ獣さっきまで鳴いてた鳥はどっか飛んでった

NO FRIEND AROUND

色とりどりの花と終わらない白い壁僕等は真昼の中をただ寝そべってる誰も邪魔できない澄んだ空気遠くまで続く同じ景色をずっと見ている何も嘘くさくないし何もかも現実に起きるエンジンの音も人がぶつかる音ももう聞こえない僕らの耳は完璧を失って本当に完…

砂浜

黄ばんだ透明のトタンを陽射しが突き抜けて荒波の中をくぐりぬけてゆくコンクリートの建物の中僕らは希望的快晴に包まれ前だけを向いていた町はとても平穏に見えた常に変化していく感情ついていけないスピード新しい朝 新しい命

アリバイ工作

そういえばそうだった何も変わってなかったのっぺりと頬を撫でる風の匂い川へ降りる階段もあったそこに座って煙草を吸っていた軽トラがはしるだけの幅田圃の土背の高いススキ心は拐われたんだと思ってたここに忘れてただけだった

フラッシュバック2018

僕は田んぼの道に立っていた風と同じ方へ歩いた用水路に泳ぐ魚を見てた誰かが遠くで話してた白線のこっち側で向こう側を見てたそこはまだ若い僕には関係ない遠い世界この日常に吹く風を僕が通る用水路沿い学校休んだ日の小さな世界何処へでも行ける灯台のあ…

俺、はんなり系

音程がズレててもそれがラブソングだって事は俺には分かる答えなんかないだろうと今は思うあったならそのうち分かるだろう足が絡まってドブに落ち泥んこになってシンとした時間は今日も俺にまとわりついてるリミットも知らせずに潰れる場所には何がきても潰…

覚悟

愛することでいずれ悲しみはまた我々を襲うだろうその時も隣にいよう