nikawaru’s blog

文字と写真

2017-09-01から1ヶ月間の記事一覧

祭囃子が聞こえる

シーソーの右側に過去の憧憬を置いて左側に先月の結果を置くどっちが重いか明日には分かるだろう穴ぼこの心は中毒を求めているだけどこの心は秋晴れのようだ祭囃子が聞こえる思い出す秒針も怖くない正解なんか探しにいかない

期待放置期

革の匂いのする彼の小さな工房作業机には何に使うかも分かりっこないヘンテコな道具が沢山置いてある丁寧に折り畳まれてポストに詰められた山のようなチラシは僕の心の中を見てるみたいだ都会に雨が降って目的も変わってサッパリした気持ちになってまだ期待…

黒砂糖

澄んだ夜空に星ひとつ淡い光線が僕の名を呼ぶ堤防にちょこんと腰掛け何を考えるべきか考えながらマールボロ吸っていた最初に手にしたアイテムを使わずにずっと大切にしてきたけれどここまできてはもう使い道もなくなってしまった女は変な水色の靴下履いて眉…

LIFE is BEAUTIFUL

頭の先から足の先まで自分の思うままに動く気もする横になって枕に頭をつけてみて自分の腹を見れば呼吸に合わせて動いているそやけどもう何回も聴いたはずのレコードの四曲目が今になって心にズシンとくるエレベーターに乗ってボタンを押せばすぐそこに行け…

黄色い点滅

コーヒーカップに昨夜の熱を浮かべて午前の気怠さに身を寄せる網戸越しに干しっぱなしの洗濯物が揺れている近づいてくるサイレン僕の所にやってきそうだこの郊外の土地からも華やいだ街が見えるんだ気を抜いたら寒さはすぐにやってきてまた一年前と同じ空気…

海底の押入れ

音も聞こえない海底で踊るように泳ぎ太陽の光も届かない海底に永い煌めきが見えた名前がないからみんなは僕をゾウって言う僕はゾウが好きだから悪くない黒いリフレインが唸りを上げ歴史を歌い出した本当はたった二人の世界に押入れで書き上げられた歴史

ツクツクボウシ

軽トラの荷台に腰掛けタイヤは砂利道をひた走る何処からやってきたの何処へ帰ってゆくの野暮な事だったかもしれない向かっていくわけでもなく向かってくるわけでもなく突っ立ってるだけで季節はおのずとやってくる意味なんてないよツクツクボウシ白い空の下…

スチール製の残暑

彼女のGコード集合住宅の窓の外草刈機のリズムまた長い蛇の道を振り向かずに歩いていく針がレコードの溝をなぞるように物事も上手くいけばいいのだけれど季節の境界線で窓辺に陽が射して僕は手に汗かいている

雲の階段

暗い雲の中に円いブルーのマンホール羽が生えたら飛んでいこう裸電球のオレンジの下にすっかりお馴染みの怠さあって塒が変わっても今も付きまとう痒さある網戸の前に立ってたあの日の自分の影に似合いの未来だ寝そべって右向いたり左向いたりしながら随分空…