nikawaru’s blog

文字と写真

風の便り

朝が来て僕らは

反対の電車に乗り込み

またお互いの

日々の中に戻る


少女がチョコレートを齧る

僕は苦虫を噛み潰す


ロマンスを日常の中に求められるか


ソレは田舎から送られてきた

ダンボールの中にあるかも


恋は僕を何処へ運んでいく

何処までも何処へでも

遠く離れた君の町を想い

僕は風になりたいと思う


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人生

胸の高さからボールを落とした

ボールは地面に当たり

跳ね返った


跳ね返ったボールは

腹の辺りまでしか

到達しなかった


ボール本人はまた胸の辺りまで

跳ね返ると思っていたので

それが不思議だった


ボールはまた落ちて

地面に当たり跳ね返った

次は腿の辺りまでしか

到達しなかった


ボール本人は何かに気付いた

しかしそれが何なのか

そこまでは分からなかった

ただ胸の奥から不安が

湧き上がってくるのが分かった


次は膝までしか跳ねず

次は…


重力だ…


ボールは薄れゆく意識の中

遠い昔

胸まで跳ねたあの日のことを思った


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叶わない

笑いたい

他に何もいらないから

あの娘と美味しいもの食べて

毎日暮らしたい


時計なんてないのに

秒針の音が聞こえる


半端な季節の半端な時間に

空にペタッと

セロハンテープで

満月を貼り付けた


時間って何だろう

ホントにそんなのあるのか

どう使えばいい

好きにすればいい


六月の半ば

除湿剤がここぞとばかり

働いている


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サヨナラのサヨナラの後のサヨナラ

時間がバラバラになって

思い出だけ残して

まあるい穴の中に

僕を置いてった


雨が降って

地が固まり

何も思い浮かばない

肉の塊


観覧車のてっぺんで

君と僕で探したものは

今もあるのかな


5階建て

ベランダなし

君もなし

4万

散漫


笑えよ


それは素敵な恋のメロディ

一人では奏でられそうにない


あの町の夜

彼は今日も

ビートルズ

大声で歌ってるのかな


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決定

一本のマイクに

頬寄せ合い

瞳を閉じ

心を唄いあげる人


休みの日

朝から手続きに

時間を奪われた

生きるためなんて

言いたかないが


なんの目的もなく

電車に乗りたい


知らないビルには

入りたくない


これでカーソルは合っているのか


曲はもうすぐ

佳境に差し掛かる

百六十八円が

百円になっていたから


目は合っていたけど

事務的だった

当然の事だ

生きるため


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